路傍の草、野辺の花

凡脳ブログ(佐藤幹夫)

フキノトウ

 4月になれば下界ではフキノトウなど珍しくもなくただに腕を拡げあるいは虫に食われて黒い状態でたたずむ。しかし、ここは標高にして5,6百メートルになろうか、今が頃おい。

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 右側ぐらいが食べるに程よい。


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 雄花雌花の違いもあるらしい。


イメージ 5花弁が開いた。


イメージ 6きのうの道。


 50個ほどは採ったろうか、言わば穏座の初物といった趣になる。この道、私以外歩く人など一人か二人ぐらい、近所に配り、それでも10個以上手許に残る。フキノトウの調理は天ぷらかフキ味噌が常套手段だけれど、天ぷらにしたところで3つも食べればもういらない、フキ味噌なら保存がきくも嘗め物、味噌汁に入れても消費は微々たるもの。

 冬眠から覚めた熊はフキノトウを食べて体力を回復するという。

 昨年新たな調理法を発見した。ハンバーグである。牛肉ではなく賞味期限ゆえ半額になった豚の挽肉を使う。フキノトウを縦二つに庖丁を入れてから刻む。あっという間に切り口が茶色に変色するので急かされる気分になる。それは細胞が生きている証し、加熱すると爽やかな緑が甦る。十個に対し挽肉百グラムぐらいか、つなぎの小麦粉を加え、ちょいと酒(料理酒より安い普段飲んでいる合成酒)を流し、微量の塩胡椒、捏ねて適当な大きさに分け油を引いたフライパンに置く。そこへまた酒を少々注ぎ蓋をし、頃おいにひっくり返し反対面を焼く。

 グルメの方でしたら何とかオイルやら何とか葡萄酒などお使いください。舌を噛みそうな名前の香辛料もお試しください。私はがさつ者で15分料理しかしません。

 一回目は生醤油を垂らして食べた。その他台所にあるマヨネーズ、ケチャップ、味噌、何でも合わざるなし。それほどフキノトウの食味は強いということかもしれない。材料に玉葱やキノコなど加えてみたが単純にフキノトウと豚挽肉のみがよさそう。苦味があるので脇に湯豆腐か温豆腐などを置く。
 十個のフキノトウがペロリと胃の腑に納まる(おれは熊か)。
 子供がフキノトウを好まないのは子供自身生命力に溢れているからだろう。したがってこれは老人用。