路傍の草、野辺の花

凡脳ブログ(佐藤幹夫)

揺れて後(2)

 3月15日
 この日から寒くなった。前日最高気温は19度、きょうは9度。

イメージ 1 山の斜面が崩れている。ここを通るのは数週間ぶりで地震によるものかそれは不明。


 福島第一原発2号機で爆発、4号機に火災、3号機から高濃度の放射能漏れ。20~30キロ圏内に屋内退避指示。


 原発を厖大な危険物と呼び反対する立場でいた、だからとて今「そら見たことか」など言うほど野卑ではない。現在まだ複数の優秀な技術者が発電所内にとどまっているはずだ。でなければとうに全炉心溶融メルトダウン)が起きている。(これから起きるかもしれないが)。数多いセンサーとモニターのうち津浪で機能しなくなったものを分別し対策をとる。複数解の中から最善手を選択する。しかも1機だけではない。

 私はこれまで期間工や人材派遣の形で百以上の会社を経てきたが、どの職場でも必ず目の前の仕事に誠実で聡明な作業者技術者がいて、国民的にこの人達の層の厚さを日本の美質と見ている。社長や重役連がクズでも現場が優秀なら社会は回る。政策論議もせず言葉端をとらえて党利党略だけの政治家はクズだけれど国民がまともなら国の態はなす。

 翌日の新聞でこの日、800人の従業員を50人残し、他は避難したと読んだ。
 東京電力よ、お前ら関東軍か。
 被曝の危険が高まれば一人当たりの作業時間は短くなる、むしろ人を増やさなければならないだろう、危険作業をするのは皆下請だろうが。

 3月16日
 夜のうちに1cm積雪。晴れたと思ったら真昼に吹雪10分間。冬日
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 この日は車の通行が著しく減った。

 新聞記事に国へ送った知事談話。

 本県が原発立地として関東圏の電力のうち3分の1を供給してきたことを踏まえ「東京を含む関東圏は、日本経済そして世界経済の中心。その経済を支えてきた福島に対して全面的な対応をお願いする」

 ゲス役人の作文。必要物資があれば品目を述べ相手が対応可能か問えばよい。それを勿体つけて(あんたがいい暮ししてんのはおれらのお蔭だかんない)とは。それなら国や東京電力は(オメエらんとこには交付金補助金だ税金だで随分いい思いさせたじゃねえか。それを目当てに誘致したんだろが。何に使ったその金)と答えてもよい。しないだろうが。(んだってオメエら、安全だ安全だとさんざっぱら言ってたべ)。(全歴史全学問の想定を遙かに上回る事態で……)。以下堂々巡り。

 先日アメリカ政府関係者が沖縄県民を「ごまかしとゆすりの名人」と発言し更迭された。主語が沖縄県民だったから反発を招いたわけで「日本国民」とすれば首肯する人もいた。
 もう数十年になる。どこにでもつく膏薬同然の理屈を並べて「銭をくれ、物をくれ」と上級役所へ申請し、それを通したのを手柄とする政治家と役人を人々は作ってきた。その手柄のため厖大な赤字債を発行している。


 3月17日
 丘陵地の農道が地面の液状化に波立つ。地震前日歩いたところ。
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 梅は咲いても東風吹くな
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 (5月16日 追記)
 メルトダウンは起きていた。今朝のニュースによると、地震発生から16時間後すでに1号機が。
 釜の底が抜ける事態に至らないことを希望するのみ。