路傍の草、野辺の花

凡脳ブログ(佐藤幹夫)

メタカラコウ

 図鑑は深山の植物と記す、私の歩く里山で見るとは思わなかった。深山どころか田畑の平地から20メートル登った谷間、昼なお暗い杉林の中、薮蚊の多いその林床に2株咲いていた。高さ1メートルのものと60センチのもの。道は軽トラがぎりぎり通れる幅、登った谷の最奥に一軒家がある。
 メタカラコウ。
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 総状につく舌状花は1~3枚、葉の先端は短く尖る。
 (オタカラコウの場合は舌状花が7~8枚、葉に尖りなし、全体に大きく高さ1~2メートル)


 この近くの田畑の間に径百メートルにも届かない溜池があり、今年三月末、アオサギ夫婦が道の対岸樹上に営巣した(私のカメラでは撮影不能)。6月初頭に巣から首を伸ばす子供の姿あって7月には成鳥5羽となり末に去った。
 そしてこの池には私の歩く範囲で唯一、チョウトンボを見る。
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 昨日の地方紙にヤマトシジミ放射能の影響を受けたという時事通信社の配信記事があった。
イメージ 7 これは2年前の写真。昨年5月、大学の研究者が事故原発近くでヤマトシジミ121匹を採集し、12%は羽が小さかったり目が陥没していた。遺伝子に傷が出来たためで次世代の異常率は18%、3代目は34%、死も多くなる。体が小さいゆえの影響で人間にはそのまま当てはまらないと。
 翅の小さいヤマトシジミならこの地でも先月見た。写真は撮れず証拠提示は出来ないが証言ならできる。数の変化についてはどの蝶も減少傾向ゆえ断言出来ない。

 今年、私の家では蚊が少ない。蚊はシジミチョウよりさらにさらに小さい。もし減少が放射能の影響とするならSFをひとつ。
 0.××マイクロシーベルト放射線なら赤ん坊から年寄りまで人体の影響は皆無、しかし蚊は生存にまで影響を受けると学者の発表あって、新製品『放射能蚊取』の発売。
 人間ならやるだろう。

 武谷三男氏が原発を「便所のないマンション」と評して数十年過ぎた今もまだ核廃棄物の処分法を決定できずにいる。


 路上にいた飛べない燕。これは放射能によるものではない。
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