路傍の草、野辺の花

凡脳ブログ(佐藤幹夫)

福島県にベニモンアゲハ

 一昨日出合った彼岸花吸蜜のベニモンアゲハ、翅は傷んでいる。飛び立つまで7回シャッターを押したものの満足な画像を得られなかった。
 ジャコウアゲハと同じく胸腹部に紅模様がある。後翅の周縁に連なる紅紋はこの個体の場合三日月形をしていた。図鑑には満月状のも載る。それらが不明瞭な写真であるけれど後翅の白紋の位置によって蝶を見慣れた方ならベニモンアゲハと断定できよう(厳密に言えば腹部の紅模様は私の目撃証言だけであって、写真からはベニモンアゲハもしくはシロオビアゲハのメスとなる。シロオビアゲハはまだ見たことがない)。
 前翅付け根に見える朱点は図鑑になく、この個体独自のものかあるいは相当な頻度で現れるものかそれは知らない。
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 宮古八重山諸島に棲息する暖かい地方の蝶である。出会ったのはこれが二度目。
 四年前の08年初夏、6月24日に翅を開閉させながら野薊を吸蜜するこの蝶を1mの距離で見ている。その個体は翅の破れもなく鮮やかな美しさをもっていたがカメラを取り出す私の動きで飛び去ってしまった。そこで地方紙に投書した。「私が嘘つきになってしまう、この蝶を見た方は声をあげていただきたい」と。「迷蝶」の語は削除され駄文が悪文に変更のうえ掲載されたが反応はなかった。
 とりあえずこのブログで私は嘘つき呼ばわりを免れるだろう。


 同じく暖かい地方の蝶、ツマグロヒョウモンの初見は一昨年だった。昨年は三ヵ所で見、今年は六ヶ所、先月には我が家の庭にも現れた。多くの蝶が数を減らすなか、この地においてこの蝶だけは数を増やしている。左がオス、右がメス。
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 今年の五月は寒い日が続き、例年なら数多く飛ぶ五月の蝶ウスバシロチョウの今年初見が5月20日、数も少なかった。そして9月いっぱい連日猛暑日、季節が後ろへとズレている。


 異形のヤマトシジミ。左が通常、右のは腹部を包んだまま前翅あるいは後翅が伸びきらないものか。飛び立つ折に目を凝らしたが確認できなかった。
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