路傍の草、野辺の花

凡脳ブログ(佐藤幹夫)

コンロンソウ、カミツレ

 コンロンソウ。
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 この花の名を確定するのに三日要した。
 先日、林床に見て上の二枚を撮影(私のカメラではこのボケ具合が限度)、小さな白い四枚十字花弁と五枚葉を記憶し、家に戻り手持ち図鑑で探す。花の形からタネツケバナの類と推測したがひと通り双子葉に目を通した。
 翌日はネット検索でアブラナ科を全数引き、さらに町の図書室にある植物図鑑にも目を通した。そして認識の誤りを確認するためその翌日同じ場所へ出かけ下の写真を撮った。
イメージ 3 見ての通り奇数羽状葉。迷いの元はこれを一点から五枚の葉が出ていると思い込んだところにある。下に見えるほかの葉も意識すればよかったに。この草は葉がある程度成長したのち葉柄を伸ばす、ということだった。
 私の愚かさの実例として以上を記す。


 カミツレ。今の季節、道端や土手、家庭の庭先、どこにでも盛ん。
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 一昨年、一茎二花のタンポポを数茎見たが去年と今年は見ていない。
 コンロンソウを見た日、一茎二頭花のムラサキツメクサに気づいた。
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 そこで翌日には注目して歩いたらけっこうある。
 下の一株、花や蕾を載せた26茎のうち二頭花は8。
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 下の一株は32茎のうち二頭花12。三頭花になりそうなのものまであった(右)。
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 ただこの二頭花、ムラサキツメクサに見ても、シロツメクサにはなかった。なぜか。花色は違っても花を咲かせる機序は同じだろうに。一昨年見た二花タンポポの場合も西洋タンポポにのみ見て在来種にはなかった。


 常々思うのだが、「よろず植物遺伝子解析装置」のようなものができないだろうか。
 人類はヒトゲノム解読を終え、植物については遺伝子組み換え作物が流通して久しい。
 このさい、全植物の遺伝子情報をデータベースに共有し、全市町村は遺伝子解析機器を設置する。そこへ私がこのムラサキツメクサ、通常のものの葉と二頭花のものの葉、ついでにシロツメクサの葉を合せ三枚の葉を持っていく。
 ワンカップを飲みながら待つ間に検体の塩基配列が読み取られ、同時にデータベースとの照合あって結果がプリントアウトされる。
「検体B、101番目のGTTGが転写ミス。土中のリン濃度が高い場合に起きる…」など十数項目の記述あって私の疑念は氷解する。
 しかも検査費用は紙パックの合成酒一合の値段、百円である。
「日本は文化国家じゃ」と満悦の私。


 ヒメウラナミジャノメ。
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 町のほとんどで田植がすんだ。
イメージ 16 若いトノサマガエルがいる。
 略して若殿……とは言わない。